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氷雪感のない氷雪はいらない

MTGにおける「氷雪」というメカニズムに一切氷雪感がないので、大変モヤモヤする。なぜウィザーズは、こんなルール上もフレーバー上も意味のないメカニズムを未だに使い続けているのだろうか。

参照される存在でしかない氷雪

「氷雪」は、パーマネントが持つ特殊タイプであるが、ルール上、それ自体にはなんの意味も能力もない。氷雪であるパーマネントから出したマナでしかコストを支払えない呪文や起動型能力があったり、パーマネントが氷雪であることを参照する呪文や能力があるだけである。

この「固有のルールを持たず、参照されることしかない」という点において、氷雪はゴブリンやエルフなどのクリーチャータイプと極めて近い存在である。

フレーバーを感じない氷雪

クリーチャータイプはフレーバーと非常に強く結びついており、そこにきちんと合致したデザインのカードが作られている。ゴブリンは小型・バカ・命知らず、エルフは小型・集結する・マナを産む、ドラゴンは大型・飛行・火を噴くなど。しかし、氷雪という特殊タイプは、ドラゴンから天使、エルフ、ツリーフォーク、果てはアーティファクトクリーチャーや基本土地まで、どんなパーマネントにもオマケのようについてしまっている。一貫するコンセプトがないせいで、氷雪はどんなパーマネントについていても違和感がない。

氷牙のコアトルやアーカムの天測儀に氷雪がついていなかったらおかしいだろうか?いや、そんなことはない。氷の中の存在に氷雪がついていないことに違和感があるだろうか?別にない。ついていてもおかしくはないけど。タルモゴイフや若き紅蓮術士に氷雪をつけられるだろうか?名前を少し変えるだけでつけられそう。氷雪とは、フレーバー的にもほとんど意味のない存在だといえる。

運用がお手軽すぎる氷雪

基本土地に加え、アーカムの天測儀という万能カードがあるせいで、氷雪カードのカウントはあってないようなものである。例えば、モダンで人気のウルザフードは、6枚の基本土地、アーカムの天測儀4枚、氷牙のコアトル4枚という14枚の氷雪カードを採用しているが、これらはもとのデッキ構成になんの負担も与えていない。かといって、氷雪要素を期待して採用されたわけでもない。強いカードがたまたま氷雪だったというだけだ。私が今使っている白黒デッキも、基本土地を氷雪に変えるだけで、無理なく薄氷の上や真冬といったカードを搭載できそうだ。運用がお手軽すぎて、氷雪という要素が実際のゲームに与える影響は極めて小さい。

手探りであった最初期のエキスパンション「アイスエイジ」で、雪の世界を表現するために氷雪という手段を選んだことは決して否定しない。しかし、20年以上経った現代において、たいした工夫もなしにそのまま使い続けるのはいかがなものか。もう少し、雪らしさ、氷らしさを表現する手段を考えるべきではないか。

ちなみに、この記事を書いて一番よかったことは、薄氷の上というカードの存在を思い出せたことである。ソーサリーとはいえノーリスクの万能クリーチャー除去なので、1枚入れて試してみたい。