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スカイクレイブの亡霊は白単ヘイトベアーを変えた

スカイクレイブの亡霊は白単ヘイトベアーを変えた

ゼンディカーの夜明けに収録された「スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition」は、白単ヘイトベアーにとって単なる強化パーツ以上のカードとなりました。長らく固定パーツだった多くの定番カードを押しのけ、デッキ全体の戦闘スタイルを変えるまでに至ったのです。

この記事では、スカイクレイブの亡霊が白単ヘイトベアーにもたらしたインパクトを解説します。

サンプルレシピ:白単ヘイトベアー

クリーチャー 26
4 ルーンの与え手/Giver of Runes
4 レオニンの裁き人/Leonin Arbiter
4 石鍛冶の神秘家/Stoneforge Mystic
4 スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben
2 エメリアのアルコン/Archon of Emeria
4 ちらつき鬼火/Flickerwisp
4 スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition

呪文 11
4 霊気の薬瓶/Aether Vial
4 流刑への道/Path to Exile
1 スカイクレイブの大鎚/Maul of the Skyclaves
1 火と氷の剣/Sword of Fire and Ice
1 殴打頭蓋/Batterskull

土地 23
11 平地/Plains
4 無声開拓地/Silent Clearing
4 廃墟の地/Field of Ruin
4 幽霊街/Ghost Quarter

サイドボード 15
3 ブレンタンの炉の世話人/Burrenton Forge-Tender
3 エイヴンの思考検閲者/Aven Mindcensor
2 ミラディンの十字軍/Mirran Crusader
2 ファイレクシアの破棄者/Phyrexian Revoker
2 神の怒り/Wrath of God
3 安らかなる眠り/Rest in Peace

白単ヘイトベアーはカードパワーを妥協していた

以前の白単ヘイトベアーは、モダンの中では比較的カードパワーが低いデッキでした。レオニンの裁き人とスレイベンの守護者、サリアによる序盤の足止めという独自の強みこそあるものの、その強みを最大化する白単色のカードプールには3マナ以上のパワーカードが少なく、ミッドレンジやコントロール、ランプデッキがゲーム後半に繰り出すカードに正面から立ち向かうことはできませんでした。

ゲーム後半を制圧する手段がないという弱点を補うため、序盤のテンポアドバンテージを活かし、飛行や多面展開を駆使して誤魔化しながら、捲られる前にライフを削りきることを目指すデッキでした。

白最強のクリーチャーである石鍛冶の神秘家より、単体のパワーで劣る刃の接合者を優先していたところにも、その戦略が表れています。石鍛冶の神秘家は運用にマナと時間がかかりすぎるため、以前のゲームプランとは噛み合っていなかったのです。

相手への妨害を考えず、序盤のマナをすべて石鍛冶1枚に費やしても、装備品付きのクリーチャーが殴り始めるのは4ターン目です。この場合、石鍛冶を対処されてしまうと、賞味期限の切れた貧弱なカード達の寄せ集めで後半戦を戦わなくてはならず、強いプランとは言えません。反対に序盤の妨害を優先すると、石鍛冶が力を発揮するのに時間がかかりすぎ、勝ち切る前に相手のリカバリーが間に合ってしまいます。

その一方で、ブリンク能力とも相性がよく、クロックとリソースを即座に増やせる刃の接合者は、序盤の妨害と後半の多面展開によるライフレースを両立できるエースとして最適でした。石鍛冶の代わりにマナカーブを埋める2マナ域としては、モダンレベルとは言いがたい魅力的な王子が採用されていました。

つまり、以前の白単ヘイトベアーは、ゲームプランに噛み合わないという理由で白最強のクリーチャーを活かしきれないという課題を抱える、もったいない貧弱デッキだったのです。

石鍛冶を投入できるミッドレンジに進化

ところが、ラインナップにスカイクレイブの亡霊が加わったことで事態は一変します。

スカイクレイブの亡霊

モダンにおいて、コスト4以下という制約はないに等しく、これまで後半で捲られる原因となっていたパワーカードを、テンポとアドバンテージを取りながら処理できるようになりました。

また、一度追放したカードが戻ってこないというメリットはとても大きく、ブリンクを駆使して相手の戦線をズタズタにすることも可能です。代わりのトークンは飛行で無視できるため、ほとんど問題になりません。

そして、後半のパワーカードを捌く手段を得たことにより、石鍛冶の価値は一気に跳ね上がりました。序盤から石鍛冶で突っ走り、後半は残った装備品とクリーチャーでビートダウンする展開も、前半は妨害に徹し、互いにリソースの減った後半戦を石鍛冶のパワーで制する展開も、アドバンテージ付きの万能除去があることで、強いプランとして成立するようになりました。

石鍛冶の神秘家

スカイクレイブの亡霊と石鍛冶の加入により、これまでマナカーブを埋めていた魅力的な王子や、ビートダウン性能を重視して採用されていた刃の接合者といった貧弱なカードが抜け、妨害を軸にしたゲームプランとカードパワーを、高いレベルで両立できるようになりました。

つまり白単ヘイトベアーは、線の細い変則アグロから、苦手としていた後半戦もバランスよく戦えるミッドレンジへ、進化を遂げたのです。

今後のさらなる成長に期待

ミッドレンジへの進化を果たしたことで、白単ヘイトベアーに採用できるカードの幅は大きく広がったといえそうです。これまでのようにゲームプランとの干渉を過度に気にする必要はなく、強いカードを好みや相手によってチューニングできるようになりました。

個人的には、以前のデッキで味わえていた、薄氷の上を歩くようなヒリヒリしたプレイ感も好きだったため、若干惜しいという気持ちはあるものの、それ以上に、石鍛冶がクリーチャー主体のデッキに居場所を確保できたことを素直に喜びたいと思います。

モダンプレイヤー、特に白単ヘイトベアーを使っている方や興味がある方は、今後のセットで登場する白単軽量クリーチャーに大いに注目しましょう。