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モダンで最初に組みたいデッキ

先日、未経験の方へモダンの魅力をアピールする記事を書いたところ、たくさんの反響をいただきました。本当にありがとうございます。

その中で“新規参入するときのおすすめデッキが知りたい”という声を頂戴しましたので、今回はモダンで最初に組むのに適したデッキを紹介します。

選択肢が多く目移りすると思いますが、最適解など存在しない破天荒な環境なので、まずは直感で一つ選んで飛び込んでみましょう。

はじめに:デッキリストの調べ方

スペースの都合上、この記事には詳しいレシピを載せませんので、興味を持ったデッキは晴れる屋のデッキ検索MTG Goldfish Metagameでリストを調べてみましょう。

特にGoldfishでは、デッキ全体の金額(紙とMTGO両方)や、定番カードの採用傾向(○○はXX%のデッキに平均XX枚入っているという定量的な情報)がわかるため、英語に抵抗がなければとても便利です。

どのデッキを使うにしても、最初は結果を残しているリストの完全コピーから始めるのがおすすめです。

パート1:長く使えるデッキが欲しい!

モダン最大の長所は、同じデッキを使い続けて極めるという戦略をとれることです。ならば、できるだけ長く使えるデッキを選びたいと思うのは当然の発想ですね。

このパートでは、長期的にモダンで活躍し続けるド定番デッキを紹介します。人気ゆえに値段は張りますが、気に入れば一生モノの相棒にできると思います。

アグロ・ミッドレンジ・コントロール・ランプを各種取り揃えましたので、お好みで選んでください。

トロン:1つ組めば3倍楽しい

3種そろえればわずか3枚から7マナ出せる土地、ウルザの鉱山・ウルザの魔力炉・ウルザの塔(通称ウルザトロン)。この3種を高速でそろえ、重量級のパワーカードを叩きつけるデッキが「トロン/Tron」です。

長くモダンに君臨することから“環境を定義するデッキ”といわれ、トロン以外のデッキにとって、“トロンの倒し方”は常に最重要課題に位置付けられます。トロンを使うか倒すかの選択は、全てのモダンプレイヤーが最初に通る道といえるでしょう。

土地サーチ+重量カード連打に振り切った「緑トロン/Tron」、エルドラージを加えてトロンへの依存度を減らした「エルドラージトロン/Eldrazi Tron」、妨害しながら地道に土地を伸ばす「青トロン/Mono-Blue Tron」という、タイプの異なる3種が存在します。

どれか一つ組んでしまえば、パーツを流用して他の2種にも派生させやすいため、コスパの良いデッキです。最初に組むタイプは好みで選んで構いませんが、最近はエルドラージトロンが多いように思います。

キーカード

ウルザトロン3種
探検の地図
大いなる創造者、カーン
歩行バリスタ

3種のトロンすべてに採用されるカードです。これ以外のカードはタイプに応じて選びましょう。

ジャンド:多様な動きで飽きにくい

「ジャンド/Jund」は、黒赤緑3種の優良カードを詰めこんだグッドスタッフの王様です。まさに全方位型のなんでも屋で、ブン回りで押し勝つことも、相手の攻めを捌いて捲ることもできる器用なデッキです。

パーツの入れ替わりが少ない、どんな相手ともバランスよく戦える、多様な動きができて飽きにくい、という特徴があり、長く遊ぶには最適の選択肢です。また、双方の不確定要素を減らしながら盤面重視で戦うデッキのため、勝ち負けの要因が見えやすく初心者にもおすすめできます。

以前は序盤の動きが強すぎるために嫌われていましたが、最近はアンフェアが強くなりすぎているせいか“理不尽な暴力に正攻法で立ち向かう主人公”的な扱いを受けはじめているのがちょっと笑えます。

キーカード

1マナハンデス2種
1マナ除去2種
タルモゴイフ
血編み髪のエルフ
ヴェールのリリアナ
レンと六番+フェッチランド

コアパーツだけでなく、隅から隅までモダン屈指のパワーカードで埋め尽くされています。

白青コントロール:無限のカスタマイズ性

「白青コントロール/Azorius Control」は、古来から存在する由緒正しきコントロールデッキです。打消しや除去で序盤をしのぎ、中盤~終盤でアドバンテージ差を広げて相手を圧殺します。

フリースロットに搭載するカードの選択肢が豊富で、カスタマイズ性が高いことが特徴です。赤や緑を加えた3~4色のバージョンが使われることも多く、デッキいじりが好きな方は無限に楽しめます。

また、トップメタがはっきりしていて対策を立てやすい環境では無類の強さを誇ります。まぁ、モダンでそこまでメタが固定されることはめったにないですけどね。もしあったら禁止でテコ入れされますし。

キーカード

時を解す者、テフェリー
精神を刻む者、ジェイス
謎めいた命令
瞬唱の魔道士
否定の力
流刑への道

白青+α系コントロールの核になるカードです。他のサポートカードは、メタと好みで選びましょう。

人間ビートダウン:新セットの楽しみが増す

MTGのクリーチャータイプにおいて、収録枚数で2位に3倍近くの差をつけ圧倒的トップを独走する“人間”を使った部族デッキが「人間ビートダウン/Humans」です。

5色すべてから選りすぐりの人間達を総動員しているだけあり、ほぼクリーチャーしか入っていないにも関わらず、手札破壊も墓地対策もクリーチャー除去もキャスト制限もこなす多芸なデッキです。

人間最大の特徴は、将来的な拡張性です。何せ5色すべての人間が採用可能なわけですから、デッキを強化する選択肢の幅広さは他デッキの比ではありません。新セットのプレビューウィークは、毎回ワクワクしながら新カードの発表を待てることでしょう。

キーカード

5色土地3種
霊気の薬瓶
貴族の教主
帆凧の掠め盗り
サリアの副官
カマキリの乗り手

霊気の薬瓶と5色土地は高いですが、デッキを回すためには必須です。頑張って集めましょう。ここに挙げたクリーチャー以外も、メインボードはかなり固定化されています。

バーン:隙間時間で遊べる手軽さと奥深さ

「バーン/Burn」は直接火力と軽量クリーチャーで相手のライフを削る赤のデッキ。定番デッキの中では短時間で対戦が終わりやすいことから、隙間時間にサクッと遊べる手軽さが魅力です。

一直線に勝利を目指すため単純な戦略に見えますが、限られたリソースを適切な対象に配分する必要があるため、正しく使うには高い状況判断能力が必要となる奥深いデッキです。

優秀な火力呪文の多いモダンでは常に一定の存在感を示しています。特に、カードが追加されたばかりでメタが流動的な環境初期には、よく上位リストに顔を出しています。

キーカード

全て

完璧に最適化された美しいデッキなので、まずは完全コピーしましょう。

パート2:安く遊びたい!

このパートでは、少ない初期投資で参入したい方のため、安価で組めるコンボデッキを紹介します。値段だけを気にして弱い二流のデッキを組んでも仕方がないので、安いながらも長く環境に生き残っているデッキをピックアップしました。

デッキの大部分が専用パーツのため他に流用しにくいことと、定番デッキに比べて長期的な安定感に劣ることは欠点ですが、どのデッキも独特で面白い動きをするため、ある意味では定番デッキ以上にモダンの面白さを体感できる選択肢かもしれません。

ドレッジ:サイド後の墓地対策対策が勝負の決め手

「ドレッジ/Dredge」は墓地をリソースとして活用するデッキです。手札交換呪文や発掘能力を使って数ターンの間に何十枚も墓地にカードを落とし、墓地が生み出す圧倒的な物量で波状攻撃を仕掛けます。

手札破壊・除去・打消しなどの一般的な妨害が効きにくいためメイン戦は取りやすいですが、本当の勝負はサイド後。墓地対策カードを全力で投入してくる相手の妨害をいかに回避するかが腕の見せ所です。

キーカード

ルーター
発掘カード
墓地で使えるカード

デッキの中で一番高いのはフェッチランドです。他のデッキでも使うため揃えてしまってもいいですし、最初は予算重視で多少枚数を妥協するのも手です。

呪禁オーラ:妨害を予測して先回り

「呪禁オーラ/Bogles」は、1マナ呪禁クリーチャーを軽量オーラで強化するデッキです。1/1のボーグルが、2ターン目にパワー4~5、3ターン目にはパワー10前後と、すさまじい速度で成長していく様は圧巻です。

基本的には妨害を受けにくい戦術ですが、モダンには多様な除去呪文が存在するため、全体除去、生け贄除去などの数少ない弱点を突いてくる相手もいます。サイドボーディングやプレイ順を工夫すれば弱点を先回りしてつぶすこともできるため、相手の妨害手段を予測しながらプレイすることが重要です。

キーカード

1マナ1/1呪禁クリーチャー2種
軽量のオーラカード

高いのは地平線の梢と活性の力だけで、それを除けば圧倒的に安く揃います。両方なくてもデッキは成立するため、最初は妥協してもよさそうです。

青赤ストーム:仕掛け時を見極める

「青赤ストーム/Gifts Storm」は、同一ターンにドロー呪文やマナ加速呪文を連打してから、ストーム能力を持つフィニッシャーを叩き込むコンボです。相手の妨害がなければ、最速で3ターン目に突然20点のダメージをお見舞いすることも可能です。

盤面でどれだけ攻められていてもコンボが成立すれば勝ちなので、相手の妨害を読み、最適なタイミングで仕掛けることが重要です。サイド後は相手も妨害を増やしてくる上にこちらも勝ち手段を多角化するため、更に読み合いの要素が増えます。

キーカード

コスト軽減クリーチャー2種
マナ加速+ドロー
けちな贈り物
ぶどう弾

高額カードは皆無で、MTGOならわずか$60前後で完全コピー可能です。

アドグレイス:MTGであることをやめた変態

「アドグレイス/Ad Nauseam」はモダンの中でも指折りの変態コンボデッキです。コンボが決まったとき、通常自分のライブラリーは0枚、ライフは-30を下回っています。でも勝っています。もはやMTGではないですね。モダンの闇を感じたい方は使ってみましょう。

インパクトのある見た目とは裏腹に、一度始動すれば止めづらい堅実なコンボです。マリガン判断とドロー操作を駆使して、ポーカーのように必要なカードをそろえていくプレイスタイルです。

キーカード

マナアーティファクト
ライフ0でも負けなくなる呪文
ライブラリーを吹き飛ばす手段
フィニッシャー

若干高い上に汎用性低めの5色土地が必要ですが、色マナがかなりタイトなデッキなので、土地も妥協せずに全部そろえた方がよさそうです。

番外編

最後に一つだけ、私が調整しているオリジナルデッキを紹介させてください。最初に組むデッキとしておすすめできるものではありませんが、モダンでは日々、多数のクソデッキビルダーがこうして謎デッキを産んでいるということを感じていただければ幸いです。

嵐の伝令シュート:2ターン目にパワー20で殴る

墓地から望む数のオーラをリアニメイトできる嵐の伝令で、最重量級のオーラであるエルドラージの徴兵を釣り上げるオールインコンボです。最速2ターンキルのルートも存在する、爽快感満載のデッキです。

墓地対策など弱点はありますが、少ない枚数でコンボを決められることから妨害への対抗手段を積みやすいという強みを活かして、妨害を乗り越えます。

関心持たれた方のために、考察記事とデッキリストへのリンクも置いておきます。質問やアドバイスがあればぜひコメント欄かtwitterでご連絡ください。

嵐の伝令シュートの記事

嵐の伝令シュートのデッキリスト

おわりに:まずは一歩踏み出そう

いかがでしたか。質問があれば遠慮なくコメント欄やtwitterにメッセージください。“○○を入れた方がいいんじゃないか”など、デッキのチョイスに関するアドバイスもあればぜひ。

冒頭にも書きましたが、「魔境」モダンには正解など存在しないため、まずはなんでもいいから一つ組んで対戦してみるのがいいと思います。

そうはいっても、何もわからないままデッキ選ぶのが不安…という方には、Magic: the Gathering Online(MTGO)で始めてみることをおすすめします。MTGOでは時間の面でもお金の面でもカードを試すコストが軽いため、紙と比べてはるかにリスクを軽減できます。24時間365日対戦相手に困らないため、その観点でもモダンの主なターゲットである「時間が取れないカジュアルプレイヤー」にマッチしています。

手前味噌で恐縮ですが、MTGOのメリット・デメリットを紹介した記事も書いておりますので、関心あればご覧ください。もちろん、MTGOの始め方や操作方法も全力でサポートしますので、ご連絡ください。

それでは、皆様がよきモダンライフの船出を迎えられますように。