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白単ヘイトベアーを学ぶ

モダンの白単ヘイトベアー(Death & Taxes)は奥が深く回し甲斐のあるデッキです。ネットで探せばいくらでも解説記事は見つかりますが、使いながら学んだことを自分の言葉でも記録しておきます。

サンプルリスト:白単ヘイトベアー

Creatures 28
 3 ルーンの与え手 (Giver of Runes)
 4 スレイベンの守護者、サリア (Thalia, Guardian of Thraben)
 4 レオニンの裁き人 (Leonin Arbiter)
 4 魅力的な王子 (Charming Prince)
 4 ちらつき鬼火 (Flickerwisp)
 4 刃の接合者 (Blade Splicer)
 1 民兵のラッパ手 (Militia Bugler)
 2 異端聖戦士、サリア (Thalia, Heretic Cathar)
 2 修復の天使 (Restoration Angel)

Other Spells 8
 4 流刑への道 (Path to Exile)
 4 霊気の薬瓶 (AEther Vial)

Lands 24
 2 地盤の際 (Tectonic Edge)
 12 平地 (Plains)
 4 幽霊街 (Ghost Quarter)
 2 廃墟の地 (Field of Ruin)
 4 無声開拓地 (Silent Clearing)

Sideboard 15
 2 ファイレクシアの破棄者 (Phyrexian Revoker)
 2 レオニンの遺物囲い (Leonin Relic-Warder)
 1 エイヴンの思考検閲者 (Aven Mindcensor)
 2 ミラディンの十字軍 (Mirran Crusader)
 2 台所の嫌がらせ屋 (Kitchen Finks)
 1 神の怒り (Wrath of God)
 1 黄昏//払暁 (Dusk//Dawn)
 4 安らかなる眠り (Rest in Peace)

はじめに:ヘイトベアーは「アグロデッキ」である

まずは、ヘイトベアーを使うに当たり絶対に覚えておくべきことから。このデッキはアグロデッキです。妨害が得意ではありますが、相手の脅威をすべて捌ききる力はありませんし、ロングゲームを戦い抜くカードパワーもありません。

序盤に相手を足止めしてから立ち直るまでのわずかな時間が、このデッキの賞味期限です。この間にビートダウンでライフを削りきる必要があります。

ヘイトベアーを使っていると、ついガチャガチャと色々な動きを取りたくなりがちですが、アドバンテージ欲しさに攻撃や展開のタイミングを遅らせていると勝機を逃しますし、多少の損失には目をつぶってでもライフを削るべき場面はたくさんあります。

構築する時もプレイする時も、ライフを削りきるというゴールを常に意識するようにしましょう。

ゲームプラン:足止めして殴る

相手より先に展開する

序盤は、相手より先に展開することを目指します。具体的な手段は2つあります。

1つ目は、レオニンの裁き人やスレイベンの守護者、サリアによる足止めです。序盤の土地破壊やコスト増加は相手の動きを大きく阻害し、こちらだけが一方的に展開する状況を生み出すことができます。

2つ目は、霊気の薬瓶による加速です。霊気の薬瓶は使えるマナを増やすだけでなく、インスタントタイミングでのプレイも可能とするため、マナの余ってくるゲーム後半でも効果を発揮します。

飛行によるすれ違いビート

序盤で相手より有利な盤面を築けたら、ライフレースを仕掛けます。先制攻撃で地上を止めて飛行ユニットで殴り、相手の展開が追いつく前に勝負を決めます。

負けにつながるアクションを妨害

パワフルなモダンのデッキは、序盤のマナを縛るだけでは止まりません。他の妨害クリーチャーも組み合わせてさらに減速させます。

以下のような動きは特に負け筋につながりやすいため、意識して止めましょう。

  • 延命してロングゲームに持ち込まれる
  • 妨害を超えてマナを伸ばされる
  • 少ないマナから大量展開される

採用カード評価

カード名の後ろについている記号は、採用の優先順位を意味しています。

◎:必須、固定パーツ
○:有効、フリースペース
△:優先度は低いが、勝ちたい相手や環境次第で入る
×:弱い、もしくはデッキに合わない

妨害役のエース

汎用性が高く強力な足止め効果を持つクリーチャーです。できるだけ早く戦場に出し、長時間維持することを目指します。

レオニンの裁き人:◎

レオニンの裁き人

モダンで最重要のアクションであるサーチを強烈に牽制する、ヘイトベアーの顔です。フェッチランドが機能不全に陥るうえ、幽霊街が最強の土地破壊になるため、序盤にハマれば相手の動きを相当制限します。

スレイベンの守護者、サリア:◎

スレイベンの守護者、サリア

呪文のコスト増加は、土地破壊と同じレベルの妨害効果があります。軽量呪文を多用するデッキであれば、妨害効果はさらに大きくなります。

クリーチャー主体の高速アグロに対しては常在型能力の効果が小さいですが、パワー2の先制攻撃というスペックで優秀な防御壁になります。

異端聖戦士、サリア:○

異端聖戦士、サリア

土地とクリーチャーをタップインさせるユニークな能力で、相手の計算を大きく狂わせます。特にフェッチランドがタップインになるのが大きいです。

戦闘員

中盤戦以降のライフレースをリードするクリーチャーです。

刃の接合者:◎

刃の接合者

パワー3と先制攻撃を併せ持つ優秀な戦闘員です。

明滅で再利用できるため、本体も放置できないクリーチャーとなります。カードアドバンテージを稼ぎづらいヘイトベアーにとっては、1枚で2体の除去対象が並ぶ点もメリットです。

ちらつき鬼火:◎

ちらつき鬼火

飛行とパワー3を持つためにアタッカーとして優秀なほか、汎用性の高い明滅能力を持ちます。薬瓶があれば除去回避やコンバットトリックにも使用できるため、更に応用力が増します。

修復の天使:○

修復の天使

明滅能力は自軍専用のためちらつき鬼火ほどの汎用性はありませんが、自前で瞬速を持っているため、単体で除去回避やコンバットトリックに使用できます。

優秀なスタッツを持つ飛行ユニットであり、ライフレースにおける最後の一押しに有効です。

ミラディンの十字軍:○

ミラディンの十字軍

プロテクションによって黒・緑相手のコンバットを1枚で支配できます。メインには必要ありませんが、サイドには数枚用意しておきたいです。

セラの報復者:△

セラの報復者

優秀なスタッツを持ちますが、殴る専門の割に出てくるのが遅いです。飛行・警戒の組み合わせによりガチンコの殴り合いでは頼りになりますが、活躍できる場面は限定的かもしれません。

ベナリアの軍司令:△

ベナリアの軍司令

全体強化能力は1ターン差の勝負やサイズが拮抗する勝負では決め手になりますが、オーバーキルなことが多いかもしれません。

ラバブリンクの冒険者:×

ラバブリンクの冒険者

戦闘員としては回避能力の信頼性が今一つなため、素直に飛行クリーチャーを採用した方がよいと思います。

潤滑油

直接ゲームプランを遂行するわけではありませんが、主役となるクリーチャーをサポートできるカードです。

ルーンの与え手:◎

ルーンの与え手

他のクリーチャーを除去から守ることと、コンバットトリックとしてライフレースを有利に進めることが主な役割です。

自身を守れないため真っ先に除去されますが、最初に出て避雷針になるだけでも他のクリーチャーが除去されにくくなります。

無私の霊魂:○

無私の霊魂

飛行で殴りながら全体除去をケアできるクリーチャーです。マナやタップが不要のため、癖がなく使いやすいです。

族樹の精霊、アナフェンザ:×

族樹の精霊、アナフェンザ

後半出したときに弱く、対象も完全に自由ではないため使いづらいです。

特定の相手に刺さる妨害

相手によっては強力な妨害となれるカードです。サイドが主な居場所ですが、環境によってはメインへの採用を検討しましょう。

悔恨する僧侶:○

悔恨する僧侶

墓地利用デッキへの対策です。飛行を持つため、能力起動までは殴る役目もこなせます。

ファイレクシアの破棄者:○

ファイレクシアの破棄者

レンと6番や歩行バリスタなど、致命的なプレインズウォーカーやアーティファクトは、これを使ってでも止めたいところです。

台所の嫌がらせ屋:○

台所の嫌がらせ屋

頑強によって2回ブロッカーに使用でき、ライフゲインのおまけもつくため、バーンをはじめ高速で展開する赤系のデッキ相手に強いカードです。

頑強後に明滅する動きはもはやインチキといえるレベルです。

エイヴンの思考検閲者:○

エイヴンの思考検閲者

追加のサーチ制限。4枚の中にサーチ対象が見つかることもあり、フェッチの妨害としては信頼度が落ちます。

反対に、特定のキーカードをサーチする場面では瞬速と無効化できないことによりレオニンの裁き人より強いので、倒したい相手によっては選択肢に上がります。

レオニンの遺物囲い:○

レオニンの遺物囲い

モダンには罠の橋をはじめとする強力なエンチャント・アーティファクトが多いため、数枚取っておきましょう。

迷宮の霊魂:△

迷宮の霊魂

刺さる相手はどれも除去が得意なので、安定的に効果を発揮することが難しいです。2枚以上のドローに合わせて霊気の薬瓶で出せればアドバンテージが大きいですが、そこまでハマるケースは多くないと思います。

キンジャーリの陽光翼:×

キンジャーリの陽光翼

採用するとしたら異端聖戦士、サリアと入れ替えですが、土地がタップインしないためこちらを採用したいケースはないと思います。

封じ込める僧侶:×

封じ込める僧侶

ビッグネームの再録として注目されましたが、モダンでは唱えないタイプの踏み倒しが多くありません。レガシーほどの効果は期待できないどころか、霊気の薬瓶を阻害してしまうため、基本的には不要です。

アドバンテージ源

攻め手が尽きると苦しいため、手札を減らさずに出せるカードは強力ですが、アドバンテージを求めすぎるとゲームが長くなるため、注意が必要です。

民兵のラッパ手:○

民兵のラッパ手

本体のスタッツも悪くなく、裁き人と共存しながら必要なカードを探せるため使いやすいです。

対策カードを入れるサイド後には枠が足りず抜けることが多いですが、メインに枠が余っているときは検討の余地があります。

スレイベンの検査官:△

スレイベンの検査官

本体が弱すぎるため、1回明滅してやっとアドバンテージ1枚です。カードを引くために追加でマナが必要なのもつらいです。

かつては1マナという軽さから採用されていましたが、ルーンの与え手を使えるようになった今では枠がないと思います。

石鍛冶の神秘家:△

石鍛冶の神秘家

運用に結構なマナがかかるため、その間他のカードを使う余裕がなくなってしまいます。ロングゲームを招いてしまうため、デッキの方向性と合致していないと思います。

悪鬼の狩人、放逐する僧侶:×

相手のクリーチャーを排除しながら戦線を強化できるクリーチャーですが、本体が貧弱すぎるため、単なる重い除去で終わることが多いです。

悪鬼の狩人は明滅と組み合わせた永久追放のテクニックもありますが、それを期待して採用できるレベルではありません。

絞首された処刑人:×

絞首された処刑人

本体・トークンとも飛行を持ち、除去能力も持つという強みはありますが、殴る役としてはパワーが低く、明滅してもうまみが小さい、除去能力は使う暇がないと中途半端な性能です。

非クリーチャー呪文

霊気の薬瓶と流刑への道で8枚埋まるため、それ以外はクリーチャーで固めたいところですが、特に有効なカードについては少量の採用も肯定されます。

霊気の薬瓶:◎

展開の加速と柔軟性の向上を一手に引き受けるデッキの潤滑油。これが初手にあるかないかで、デッキの動きはかなり変わってきます。

流刑への道:◎

流刑への道

万能除去。枚数は少なく、またレオニンなしで使うと相手の展開を助けてしまうため、本当に致命的なクリーチャーに対処するときにだけ使いましょう。

遺棄の風:△

遺棄の風

単体除去としても全体除去としても使える点、自分のクリーチャーを巻き込まない点は優秀ですが、本当に撃ちたい相手には間に合いません。

清浄の名誉:△

清浄の名誉

タフネスの低さをついてくる相手には有効ですが、その分クリーチャーの枚数が減ってしまいます。もっと良い選択肢があるように思います。

おわりに:噛めば噛むほど

ヘイトベアーの一番の強みは、変化できることです。構築もプレイングも無限に工夫の余地があるため、使えば使うほど楽しくなってくるデッキです。

これからもいろいろなカードを試してこの記事に追記していきます。皆さんも、おすすめの構築をぜひtwitterで教えてください!

8/2現在、評価が定まっていないカード

  • 魅力的な王子
  • 夢の巣のルールス、忍耐の偶像
  • エーテル宣誓会の法学者
  • 神の怒り、黄昏+払暁
  • 密輸人の回転翼機